2011年1月1日土曜日

■ ARES STN レストア (ちょっと詳細ver

まず、下記の記事はあくまでsus14jpの勝手な解釈と思い込みによる工具の
使い方及び各部の調整がベースとなっています。
もし仮に参考になさる方がおられましたら、必ず「作業される方の責任」でお願いいたします。
当方では責任は一切負えませんので、ご了承下さい。



■ この状態からスタート

■ 使用工具類










■ 交換パーツの手配













■ 分解

元あった状態を記録するために、デジカメで撮影しながら分解する。
特に、ヘッド・BB・ブレーキ周辺はややこしいので注意が必要。
ヘッドやBBのベアリングの向きは、チューブを挟むようにベアリング玉が向いている。
ロゴ等を再生する場合は、この時に写しておく。今回は養生テープに転写しておいた。







■ フレームその他の切断

少し野暮ったさがあるフォークのフロントエンド及びフレームのリアエンドを切断。
サンダー用金属切断砥石(SUS用)を使用。
リアハブのコグ、スプロケットを小径に変更する場合は、おそらくチェーンステーの
削りも必要になる。
チェーンステーを削って開口した穴は、適当に金属用エポキシパテで埋めておいた。
エポパテはやや接着力に欠けるということを模型経験から得ていたので、
まずは瞬間接着剤をパテ盛りする面に適当に塗り、その後練ったエポパテを盛った。
 










幼児車のクランクはスプロケットがくっついているのでスプロケットを切断した。
幼児車のBBスピンドルはそのままでは使えないので、19mm径(内径16mm)
SUSパイプを被せることができるよう、φ16mmまでサンダーで削った。
これとアメリカンBBを組み合わせれば、極短(90mm)3PCクランク化できる。











■ 塗装剥がし及び研磨

塗装剥がし及び研磨作業には、
・塗装はがし液による剥離
・サンダーによる研磨
2通りの方法を使った。
○塗装はがし液
塗装はがし液は、アサヒペンのものを使用。地球に優しいということで、
作業後は水で流してもOKらしい。
その分威力は弱めのよう。ホルツのリムーバーは試さなかったが、
もっと作業が捗ったかもしれない。
アサヒペンのもので一発剥離はほぼ無理だと思う。複数回にわけてハケで塗布し、
その都度ビニール袋に入れるなどしながら2時間程度浸け置き。
○サンダーによる研磨
浸け置き等の待ち時間一切なし。木工用ディスク#60→#240→ワイヤーカップブラシの順で使用。
ディスクはダイソーのもので十分。2~5枚ほどあれば足りる。

■ 塗装

○塗装台作成
コンパネと角材で塗装台を作る。ヘッドチューブとBBチューブで支持して固定する。
固定はやや高めに。これで360°どの角度からでも塗装できるようになる。







○表面仕上げ
研磨等で汚れたフレーム他の表面は、パーツクリーナで油分・汚れを除去しておく。
これをやっておかないと、塗装ができない。塗料が乗らず、仮に乗ってもすぐ剥げる。

○マーブル塗装
模型をやってたので、エアブラシとコンプレッサーは既に持っていた。これがない場合は、
スプレー缶を使えば問題ないと思う。
スプレー缶は湯煎することで缶内圧力を上げてから、思いっきり振って撹拌すると綺麗に吹ける。
もちろん近づけすぎず、吹き着け対象の外から吹き始め、対象を通過した後対象の外まで
吹き着けるようにする。重要なのは「一回で仕上げない」ようにする。数回吹いていれば
そのうちしっかりした色つけができる。
下地には錆止めと発色を助けることができるよう、錆止めホワイトのスプレーを使った。
ホワイトを下地にしておけば、その後の各色の発色が早く、綺麗に塗れる。
錆止めホワイト白として残すところをマスキング→薄い色→マスキング
→次の色→マスキング・・・の繰り返し。

○ブラッセン塗装
黒部は今回ブラッセンを使った。ウレタンブラックも購入していたが、
・剥がれたあとのリカバリーが難しい
・乾燥までにかなり時間がかかる
事を考慮して、ブラッセン塗装にした。オーブンを使って焼付けもどきができることも大きい。
薄ーくスプレーして、フーフーしてやればとりあえずだが乾くので、1時間ほどほっといて
オーブンで焼付け。

○つや消しウレタンクリア
2液混合が缶の中でできるスプレーがあるなんて、なんて便利な世の中だ。混合後は速やかな
作業が必要で、ノロノロしていると塗膜が固まってきてしまって複数回の吹きつけに失敗する(らしい)
詳しくは缶に表示されている使い方を参照。
また、缶内の塗料も半日~1日くらいで使えなくなってしまうため、注意が必要。
ウレタンのみの塗装なら、完全硬化後であれば、上掛け塗装は可能だが、
ウレタンの下にラッカー等で塗装している場合はひび割れが出てしまうらしい。

■ホイール関係

今回使用した南海のフリーコースターハブは、元々STNに施されている「ラジアル組」ができないとの情報があり、
急遽スポークの自作が追加になった。
「アルミシェルはラジアル組しないで」

○スポーク長計算
サイメンの「ホイール組の達人」DVDを参考にスポーク長計算を行ったが、
5mm前後長かったように思う。
ニップルからはみ出さない程度の締め込みではスポークがユルユルだったことからも、
長いと思える。計算に必要な各数値はまったく同じものを使用して、
ここで計算してみたら丁度5mmくらい短い計算結果となった。

○スポーク切断
まず、スポークゲージで計算値の長さでスポークへ印をつける。
この際、スポークゲージにも印をつけておけば楽。
スポーク切りでバッチンバッチン切りまくる。さすがに2台分144本はきつい。
滑り止め軍手が必要だと思う。

○ネジ切り
で、144本のねじ切り。正直これが一番しんどかったんじゃないかと思う。
ねじ切り器の使い方がなかなか掴めず、結局掴めず仕舞いだったために想像以上に
時間が掛かった。まず、ねじ切りが1回では済まない。
「浅めにねじ切り→やや深め→もうちょい深め→ラストのねじ切り」というように、
4回以上はやったと思う。ホーザンのねじ切り器を使って、1回でねじ切り出来てるって人
おられましたら、今後のために是非ご教授ください。
ちなみに、あまりに大変なので強引に電動ドリルを取り付けてねじ切りさせた。












○ホイール組み
ディスクブレーキでもないし、DVDの教え通りイタリアンで。いまいち理解できてなくて、
「あや」を逆にとってみたりと失敗が多かった。
「あや」は2本で取るが、ハブフランジの内側から通したスポークが、必ず下側にくる
ということを念頭に置いておくといいと思う。また、コグ側と反コグ側での取り方の差異は下図で。







他のHP等では、「ハブにスポークをすべて通してからリムに取り付けていく」というものが多いが、
自分自身素人で迷いそうだったので、今回は反コグ側で言うと、
①コグ側の外から通すスポーク(9本)のみを1本飛ばしにフランジへ通しておく。
②反コグ側のスポークは、あやを取る2本ずつ通し、リムへ固定していく
という手順を取った。
コグ側を半数だけ通したのは、反コグ側を張り終わってコグ側に移った際に、
外から通すスポークが通せなくなるから。コグ側の作業は上記の逆で。

その他の注意点(スタート場所やリムへの通し方等)は、ここここを参考にした。










○振れ取り
振れ取り台とセンターゲージをラック作成用のアングル他を使用して自作した。
振れ取りほ方法はDVDやここを参考にして作業したのみで、今回特別なことはしていない。
精度も適当。

黄色のSTNの方へついていたリムはやや曲がっている部分があったので、
新品への交換も考えたが、36Hでタイヤ幅1.75以上に対応したものがとにかく売ってない。
もっと言えば、チューブはまだいいがタイヤもほとんど売ってない。なんとかして欲しい。
まぁフラット用16インチのバイク自体もまったく売ってませんが、、、
でも!今はMotelWorksさんで企画が進んでるらしいですよ!こうご期待!













 ■ 組み立て

○ヘッドセット及びBB圧入
自作工具?で圧入。簡単。ここを参考に。
BBは左右の間にカラーが必要なので、必要な長さにカットすること。











○クランクとスピンドルを固定
①図のように、クランク内側へM10サイズのねじ穴を開けるが、
まずは下穴8.5mmでドリルで開口。

タップにはスパイラルタップを使用。1本で済むし、簡単。
下穴開けやタップはホームセンターでボール盤を借りた。買った。
タップは最初だけボール盤にスパイラルタップをセットし、ねじ込む。
あとはタップホルダーにセットして普通にタップしていくだけ。

あとは、スプロケットをクランクへ固定して、スペーサを各部へ差し込み、
BBへ通したスピンドルへクランクを固定していく。
クランクの固定は片側を一気に締めるのではなく、左右を少しずつ締めこんだ。













○ブレーキケーブルアウターの交換
アウターキャップの交換は、外すときもつけるときもライターやガストーチでキャップを
あぶることで行う。
外すときは少し熱する程度で外したほうが綺麗に取れる。
つけるときは外すときよりもやや長めに(アウターが少し溶けるくらい)あぶって溶けた
アウターでキャップを接着してやる。
アウターの切断はシマノのケーブルカッターでできる。カットしたあとは少しバリが残るので、
それも切ってやる。あとは中のチューブを先端が細いもの(目打ち等)で広げてやる。

フロントケーブルはアウターを抜いて交換するだけ。
問題はリアに使われるジャイロのアッパー・ロワーケーブル。といっても、2本出しになってる
ほうは、ストッパー(丸いやつ)をケーブルカッターで切断し、アウターを交換するだけ。
今回はオデッセイのモジュレバーを使ったので簡単だった(ほんとは結構失敗してるけど)

ジャイロ関係のケーブルは失敗しすぎると長さが足りなくなって買い直さないと駄目になるので注意。
飛ばした丸いストッパーの代わりに「RHODES PRODUCTS」の「CABLE KING 2」というケーブル
ストッパーを使った。
これで問題になるのは、ジャイロのベアリング部分。アッパー側・ロワー側両方にこの
ケーブルストッパーを使うとハンドルを切るときに多分こすれちゃうと思う。
仕方ないので、モジュレバーに同梱されていたナープスを使ってなんとかなったような「気がする」

○その他の組み立て
その他のパーツはそんなに面倒じゃない。元あった場所にそのまま戻していく場合が多い。
チェーン張り等は検索ですぐ出てくると思う。

■ ブレーキのセット

検索してみたが、あんまし見つからずに苦労した。
①台座にフロント・リア共にセット。
②ブレーキ引きをセット。このブレーキ引きも最初付け方がわからず困った。
③ブレーキレバーを目一杯引いた状態でゴム止めしてやる。
④インナーケーブルを通し、ブレーキへ固定する。
⑤ブレーキの調整をする。











■ ステッカー(カッティングシート)貼付け
1枚600円程度。塗装剥がし前に記録しておいたダウンチューブの「ARES」ロゴと、
ヘッドチューブのマークサイズを元に、無料アプリInkscapeでデータを作成し、
ベアーズワークさんにカッティングシートの作成を依頼した。
アプリの使い方やシートの貼り方は他のHPで詳しく解説されていると思うので参考になると思う。

■ 完成










ちなみに、最初筆塗りして失敗したって言ってたのはこれwww












長々と申し訳ないw
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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